フランスのパリで開催されるテニスのグランドスラム、全仏オープン。そのレッドクレーのコートで8日に行われた混合ダブルス決勝では、加藤未唯とドイツのT・ポイツ組がカナダのB・アンドレースクとニュージーランドのM・ヴィーナス組を4-6, 6-4, [10-6]と逆転で破り、両選手ともにキャリア初の四大大会初優勝を飾りました。
ここで一つ、優勝者である加藤未唯について詳しく見ていきましょう。全仏オープンの混合ダブルスに初出場となる加藤は、男子ダブルスで世界ランク24位のポイツとペアを組み、見事なデビューを果たしました。しかし、彼女の全仏オープンは波瀾万丈でした。
それは、女子ダブルス3回戦での出来事から始まります。4日に行われた対戦では、スペインのS・ソリベス=トルモとチェコのM・ブズコバ組相手に、加藤が不運にもボールガールにボールをぶつけてしまい失格となりました。しかし、彼女はこの事態を乗り越え、翌5日の混合ダブルス準々決勝でブラジル組のL・ステファニーとR・マトスを7-6 (7-5), 6-2とストレートで破り、初めてベスト4に進出を果たしました。
さらに彼女の闘志は決勝戦でも続きます。第1セットでは、加藤/ポイツ組が第1ゲームでブレークに成功、第4ゲームでは劣勢ながらもサービスゲームをキープしました。しかしながら、第8ゲームでブレークバックを許し、第10ゲームでポイツのショットがネットにかかると、最初のセットは彼らから手繰り寄せられてしまいました。
しかし、ここで加藤/ポイツ組が見せたのは逆転のドラマでした。第2セットでアンドレースク/ヴィーナス組の激しい攻撃にも耐え、ブレークポイントを凌ぎ続けた結果、最後には加藤が見事なボレーを決め、ブレークに成功。最後のサービスゲームもキープし、1セットオールとしました。
そして、10ポイントマッチのマッチタイブレーク。加藤/ポイツ組が見事に制し、1時間半以上の熱戦を制したのです。
なお、昨年の大会では柴原がオランダのW・クールホフとペアを組み、25年ぶりに日本人が優勝するという快挙を達成しました。そして、この年の加藤の優勝により、日本女子が同大会同種目を2年連続で制覇するという歴史的な瞬間を見届けることとなりました。
全仏オープンの舞台で、初めての挑戦を成功に導いた加藤未唯。今後も彼女の活躍から目が離せません。
